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主夫と翻訳

翻訳をしていると、日本語にするのが悩ましい言葉にたくさん出会います。検索すると、その言葉の訳語に悩んだ先人たちの声がたくさん見つかり、孤独な翻訳作業が少し楽しくなります。そして、自分もそんな言葉を残したくなりました。

"just a few clicks away"の意味は、2〜3回マウスをクリックするだけでわかる

テクノロジーがテーマの文章でよく目にする決まり文句に

 

just a few clicks away

 

があります。

 

Access to the universe of knowledge is just a few clicks a way.

Our fresh farm products are just a few clicks away. 

 

「わずか2〜3回クリックするだけで手に入る(わかる/できる)」

という意味です。

 

 ネット時代になって、モノでも情報でも、欲しいものがマウスクリック数回で入手できる手軽さを簡潔に表した、いい表現ではないでしょうか。

 英語的、というか、日本語にはない発想の表現ですね。わかりやすいですけど。

 

 

もともと

just a few @@@ away

は「もうちょっとで」という時に使われる定型表現で、

@@@には

sleeps

steps

seconds

days

weeks

questions

など、いろいろ入ります。

 

「あと数回@@@するだけで目的のものが得られるよ」という手軽さや期待感など、感情というか主観のこもった生き生きとした表現だと思います。

@@@がdaysならば

「数日先」

stepsなら

「数足先」

と簡潔に訳せるのですが、それ以外だと説明調の訳にならざるを得ません。

 たまに「数クリック先」なんて表現を見ますが、発想が日本語的でないので、すーっとは読めないですね。

 

 ネット時代になって@@@にclickも使われるようになったのは、非常にわかりやすく象徴的だと思います。

 

 とはいえ、テクノロジー関係の表現の宿命として、30年後も使われているかというとその可能性は低いかもしれません。下手すると小学生に「クリックってなに?」なんて聞かれるかも・・・

 2000年前後のITバブルの頃は、もういいってくらい"click and mortar"を目にしましたが、10年少々でこの表現も瀕死です。

 かくいう私も数年前にPCからマックに乗り換えて、マウスを使う機会がめっきり減りました。