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主夫と翻訳

翻訳をしていると、日本語にするのが悩ましい言葉にたくさん出会います。検索すると、その言葉の訳語に悩んだ先人たちの声がたくさん見つかり、孤独な翻訳作業が少し楽しくなります。そして、自分もそんな言葉を残したくなりました。

"incumbent"は「新興」企業に対する「既存」企業を指す

最近目につくな〜、と気になる単語の一つに

incumbent

があります。

 

辞書には「現職の」という意味しか出ていないのですが、

私が目にするのは100%例外なく

「既存の」(昔ながらの、歴史ある大手企業)という意味で使われています。

 

the incumbents (既存企業)

incumbent businesses

competition between incumbent and emerging technologies

 

 推測ですが、中国やインドなどの「新興企業」「新興市場」という存在や概念がこの20年ほどで新たに登場したことによって、emerging という言葉の使用頻度が高まりました。この反対語として、incumbentも使用頻度が高まったのではないでしょうか。

 上記の例文3つ目のように、emergingとかnew competitorとセットになって登場することが多いです。そのようなincumbentは「現職の」ではなく「既存の」という意味で、「新興」の対義語として使われています。

 

 なんかincumbentなんて単語は、見るからに固くて難しそうで、できれば使いたくないのでしょうが、emergingの反対を表す手頃な単語がないので、しようがなく使われている、というような気がします・・・・