主夫と翻訳

翻訳をしていると、日本語にするのが悩ましい言葉にたくさん出会います。検索すると、その言葉の訳語に悩んだ先人たちの声がたくさん見つかり、孤独な翻訳作業が少し楽しくなります。そして、自分もそんな言葉を残したくなりました。

スラングの"hack"は「難題にうまく対処するコツ」

シリコンバレーの著名人のインタビューを訳していたら

 

how to hack the challenge

they know a lot of hacks

 

といった表現をしていました。

一つ目は動詞、二つ目は名詞ですね。

 

"hack"はもともと

「斧でたたき切る」

「切り刻んで台無しにする」

なんて意味でしたが、コンピュータ用語として

 

「プログラムや機械を改造する」

「システムに不法侵入する」

 

という意味のほうが圧倒的に多く目にするようになりました。

「ハッキング」や「ハッカー」は日本語化したと言ってもいいでしょう。

 

この言葉はそこからさらに一歩進化して

 

「難しいことを巧みに解決する(方法)」

 

という使い方をされるようになっているみたいです。

日本語でも「ライフハック」なんて言葉をネットでよく見かけますね。

 

こんな新しい定義はもちろん紙の辞書には出ていませんが、オンラインの辞書には出ています。

例えば

Urban Dictionaryでは

a clever solution to a tricky problem

 

The Free Dictionaryでは

(Slang) To cope with successfully; manage

 

などと定義されてます。

日本語で一番近い言葉は「コツ」ではないでしょうか。

 

このようにネットやコンピュータ関係の言葉はやはり進化が早く、新しい意味がすぐに生まれるようですね。