主夫と翻訳

翻訳をしていると、日本語にするのが悩ましい言葉にたくさん出会います。検索すると、その言葉の訳語に悩んだ先人たちの声がたくさん見つかり、孤独な翻訳作業が少し楽しくなります。そして、自分もそんな言葉を残したくなりました。

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

とても重要なのに、学校で習う英語では決して教えてもらえないこと(1)

とても重要なのに、学校で習う英語では決して教えてもらえないことがいくつもあると思います。 例えば<句動詞>という非常に分かりにくい日本語名を付けられたphrasal verbeはその代表でしょう。(これについては後日書きたいと思います) それとは別に、意…

in the pipeline の訳語はまだ「パイプライン」の中

pipelineはもともとガス管や水道管のことですが、転じて比喩的に「着手ずみだが、最終目的地には到達していない」状態を表します。その場合は主に Her new book is currently in the pipeline, Our innovation pipeline is full. といった表現で、「開発途上…

technicallyの訳は技術的に難しい

頻出、とまでは言えないものの、時々みかける表現"technically"は、大変訳しづらい言葉です。 この言葉は大別すると二種類の用法があり、一つは「技術的に」という意味で、なんら難しくありません。そのまま「技術的に」と訳せばOK。 やっかいなのはもう一…

youを「あなた」と訳すのは誤訳?

前回のエントリーに引き続き、 もう一つ、英語と日本語の最大の違いを挙げるとすれば、 「英語は人称代名詞なしでは会話や文章が成立しないが、日本語では使わないほうが自然」 という点があるように思います。特に二人称ですね。 人称代名詞とは、Iとかyou…

英語は「不可算名詞」の扱いが苦手

英語と日本語の最大の違いは何だと思いますか? いくつかの答えがあり得ると思いますが、 「英語は『何個か』という数を抜きにモノを考えられない。日本語は数を無視してモノを考えられる」 というのは一つの答えだと思います。例えば 「あそこに猫がいる」 …