主夫と翻訳

翻訳をしていると、日本語にするのが悩ましい言葉にたくさん出会います。検索すると、その言葉の訳語に悩んだ先人たちの声がたくさん見つかり、孤独な翻訳作業が少し楽しくなります。そして、自分もそんな言葉を残したくなりました。

2014-01-01から1年間の記事一覧

over timeは、ゆっくり、のんびり、残業しない

これもよく見る表現に"over time"があります。 「時の経過と共に」「ゆっくりと時間をかけて」「徐々に」といった意味です。instantly とか immediately の反対のイメージですね。 ぴたりと対応する日本語がないので、どうしても訳が間延びしがちです。 grow…

「アナと雪の女王」の歌詞の翻訳はすごい

私の娘もご多分に漏れず「アナと雪の女王」が大好きで、毎日踊りながら歌っています。 さて、この主題歌のサビの部分、"Let it go, let it go…"が、日本語では「ありの〜ままの〜」と訳されていることに、私は軽い違和感を持っていました。 なんでわざわざそ…

alignedは「右向け、右!」

例えば「料理する」という言葉は、文字通りごはんを作るという意味もあるけれど、そこから発展して「物事を処理する」という抽象的な意味を持つこともありますよね。 あいつをどう料理してやろうか・・・など。 英語にも、具体的な本来の意味から発展した、…

identifyを特定する

私は他人様の翻訳をチェックする翻訳チェッカーの仕事もしています。 チェックするなんておこがましいほど上手な人もいれば、これで金をもらっていいのかと言いたくなるほどひどい人もいます。 仮定法を誤って訳していたりと論外のケース(けっして少なくあ…

going forward はかっこいい?

どの国の言葉にも流行はあり、さらに同じ国の言葉でも特定の集団(若者とかIT業界とかビジネス文書とか)だけの流行もあります。 さて、ビジネス関係の英語で、流行と言うと大げさながら最近よく見るな、という表現の一つが"going forward"。これはたんに…

coworkerとcolleague

ビジネス関係の英文でけっこうよく出てくるけど、その度にひっかかる言葉が”colleague”。 これを「同僚」と訳すと違和感がある、というケースが多い。どう考えても書き手より立場が上の人や、書き手と別組織で働いている人を"colleague"と呼んでいる。 ネッ…