(be) all about は「要するに」とまとめたい
これも本当に日本語化が悩ましい表現です。それ以前に、英文で意味を正確に理解するのも難しい時があります。
ただし、all about にも二種類あって、簡単なほうは「all」が主役。
I know all about him.
「私は彼のすべてを知っている」
素直にそのままです。
難しいのは「about」が主役で、「all」は強調のためにあるケース。「be (all) about」という表現です。
It's all about money. (カネがすべてだ)
Economics is all about politics. (経済学は結局政治の研究だ)
I'm all about that bass. (私にとって重さが大事)
要するに、結局、一言で言えば、〜になる。
〜が大事。
そんなニュアンスになるかと思います。
あいまい、かつ意味範囲が広い表現なので、英文で意味を理解するのも時にややこしいこともあります。そんな時は強調の「all」を省いて「about」だけで大意を理解してから、それを極端にして考える、という手が使えるかもしれません。
慣用句のような言い方で
That's what it's all about.
(結局そういうことだ)
なんて表現もあります。
結局、all about の難しさは「about」の難しさにあると思います。
下記のような「about」の使い方は日本語にはありません。
I have no idea what jazz is about.
ジャズなんてぼくにはちんぷんかんぷんだ。
(例文/訳文ともに研究社『英和翻訳表現辞典』より)
<追記 2015/10>
米ヤフーCEOのメリッサ・マイヤーが、創造性を高めるために社員の在宅勤務を禁じたエピソードは有名ですが、それを命じた彼女のメールはまさにこの"about"を使っていました。(下線は筆者)
"Being a Yahoo isn’t just about your day-to-day job, it is about the interactions and experiences that are only possible in our offices."
あなたがヤフー社員でいることの意味は、たんにあなたが日々こなす仕事の内容だけではありません。当社のオフィスでしか得られない会話や経験をすることも、ヤフー社員でいることの大事な一部なのです。
(あまり上手な訳ではないですが・・・)